このガイドについて
読者として、自分のマシンや VPS で AI エージェントを動かしてみたい人を想定しています。ターミナルでコマンドを実行できる程度の経験は前提にしますが、LLM API・エージェントフレームワーク・サーバー運用の知識はゼロで構いません。専門用語はすべて初出時に定義し、英語の用語には日本語の言い換えを添えます。図はすべてインライン SVG で描いてあり、ライトテーマとダークテーマの両方に追従します。内容は Hermes Agent 公式リポジトリ(Hermes Agent 公式リポジトリ(README / website/docs、v0.21.0)、2026-09-01 取得)と、その中で管理されている公式ドキュメント(hermes-agent.nousresearch.com/docs)を根拠にしています。なお、Web 検索で上位に出る hermes-agent.org は Nous Research 非提携の独立系情報サイトです(同サイトの利用規約が自ら明記しています)。本ガイドは一次情報源として公式リポジトリを優先しています。
前提知識: ターミナルでコマンドを実行できれば読めます。LLM の API やエージェントフレームワークの知識は不要です。
情報の鮮度: Hermes Agent は活発に開発中で、タグ付きリリースを持たず main ブランチが直接更新されます。本ガイドは 2026-09 時点のリポジトリ(バージョン 0.21.0)に基づいており、コマンド・設定キー・対応機能は変わりえます。実行前に各章末の参考リンクから最新版を確認してください。
目次
第 I 部 全体像をつかむ
第 1 章
Hermes Agent とは何か — 「育つ」自己改善エージェント
自己改善ループを持つ常駐エージェントの正体をつかみ、チャットボット・コパイロットとの違いや公式情報源の見分け方を理解する。
第 2 章
アーキテクチャ全体像 — 部品の地図と ~/.hermes/
AIAgent を中心に CLI・ゲートウェイ・ツール群が繋がる全体像と、~/.hermes/ の中身・config.yaml の位置づけを 1 枚の地図にする。
第 II 部 動かしてみる
第 3 章
インストールと初期設定 — 1 コマンドで始める
curl のワンライナーが実際にやること、setup の 3 モード、4 系統のモデルプロバイダの違いを理解してから導入する。
第 4 章
CLI の基本操作 — 対話・スラッシュコマンド・セッション
対話 CLI と TUI の起動オプション・ステータスバー・スラッシュコマンド・/bg・Quick Commands を一通り使い分けられるようにする。
第 III 部 「育つ」仕組みを使う
第 5 章
永続メモリ — 使うほど賢くなる仕組み
MEMORY.md/USER.mdの階層と上限、凍結スナップショット注入、write_approval、session_searchとLearning Journeyを解説する。
第 6 章
スキルシステム — 経験からスキルを自作するエージェント
58個の組み込みスキルの探索順とプログレッシブディスクロージャ、skill_manageによる自動作成、/learn、Skills Hubの8ソースとバンドルを解説する。
第 IV 部 どこからでも・自動で使う
第 7 章
ゲートウェイ — Telegram や Discord から話しかける
単一プロセスで動くゲートウェイの仕組みと、Telegramを軸にしたトークン設定・許可リスト・権限分離・常駐化を解説する。
第 8 章
cron スケジューラ — 定期実行と自動レポート
統一ツール cronjob の対話作成、スケジュール書式、deliver: 配信先、no-agentモード、context_from連鎖、doctor/incidentsによる運用を解説する。
第 V 部 実行力を広げる
第 9 章
サブエージェントと委譲 — 並列化とゼロコンテキスト RPC
delegate_taskの隔離コンテキストとバッチ並列、execute_codeのRPC、ブロックされるツール、role=orchestratorのネスト、タイムアウト、worktree_isolationを解説する。
第 10 章
実行環境 — ローカルから Docker・クラウドまで 7 バックエンド
7種類の実行環境(ローカル・Docker・SSH・クラウド系)の使い分けと、Dockerのハードニング・永続コンテナ共有・iron-proxyによる鍵の秘匿を解説する。
第 11 章
ブラウザと Web — 検索・抽出・自動操作・マルチモーダル
web_search→web_extract→ブラウザ自動化の3段階エスカレーション、実プロファイルブラウジングのリスク、vision・画像生成・TTSの仕組みと料金を整理する。